随分前に出版された本で、読んだのも結構前なのだが、この本について書かないわけにはいかないだろう?!と急に思い立ったので、書いてみることにした。(たいしたことは書いてない)
この本に関しては賛否両論だろうと思う。実際、身近な人が何人か読んだというので感想を聞いてみたが、「面白かった。最後はちょっと感動すらした」という人もいれば、「なんだかちょっと・・・よくわかんなかった」という人もいた。
私はどちらかと言うと、面白かったが、感動まではいかなかった・・・というところだろうか。
すでに読んだことがある方はご存知だろうが、この本はアドラーの教えを、2人の人物による対話形式の物語として書かれている。
登場人物はアドラーの教えを懇々と語る「哲人」と、哲人の語りをことごとく否定する「青年」だ。
この青年に共感できるかどうかが、最後に感動できるかどうかに影響していると思われる。
青年が哲人の語りに対して、「それは違う!」と言ったり、「そんなはずがない!」「それができれば誰も苦労しない!」と感情豊かに否定するのだが、それはこの青年の経験からくる考えを述べているに過ぎないので、ここに共感できるものがなければ、なんのこっちゃ?になっても仕方がない。あくまでも1人の個性ある人間として描かれているので、そこが鍵となる本だろう。
私が感動するまで至らなかったのも、青年の意見に共感しつつ、「私はそうは思わないな」という場面もあったからだろう。
それにしても、教育という名の洗脳を受けていると言っても過言ではない日本の教育を受けていれば、青年のような考え方をする人も多いのではないだろうか。
そもそも教育に「正しい教育」と言い切れるものなどないと思っているので、洗脳というのも言い過ぎかもしれないが、幼いころから受けてきた教育を信じて疑わず、そこに生き辛さを感じている人にとっては、アドラーの教えは響くのではないかと思う。
・・・にしても、アドラー心理学初心者が読むには難易度が高い本かもしれない。
最近はもっとわかりやすく書かれている本がたくさん出ているので、まずはそちらを読んでみると良いかもしれないな、と思う今日この頃なのである。
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