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2020年導入 小中高「キャリア・パスポート」について


『2020年、小中高に導入された「キャリア・パスポート」は問題だらけ』

こんな記事をネットで見る機会がありました。


それを見た私の感想は、「そりゃそうだろ」でした。


ちなみにキャリア・パスポートとは、文科省が「小中高校生が学習や学校生活の目標を設定し、達成度を自己評価する教材」として導入したものです。


具体的には、「新学年の進級時に子供自身が目標を立て、1年後に自分で、『よくできた』『できた』『すこしできた』『あまりできなかった』の4段階で自己評価を行う(各学年5ページ以内)。内申書・学習評価には使わず、進学・就職先にも提出しない」というものです。


社会に出てからも、これといった目標もなく、何のために仕事をしているのかわからないまま年だけとっていく、という人も少なくないと思われる時代に、子供の頃から目標管理を意識させよう、という意図があることはわかりますが、実際にやっている企業は、「形だけやっています人事評価」なのです。それを子供の頃からやることに意義があるのでしょうか。


それに加えて、それを的確に指導できる教師がいるのでしょうか。


教師という職業をバカにしているわけではありません。

ですが、「学校」以外の世界に触れる機会が少ない職業であることに間違いはありません。


大学を出て、教員免許を取得したら、職場もまた学校。学生時代にアルバイト経験くらいはするかもしれませんが、企業に入って、営業で外回りをしたり、業績によって給与が変わってくるという経験をすることはないのです。そんな人達が、卒業後にそういった仕事に就くであろう生徒に、どんな指導ができるのでしょうか。


教員免許を取るためにも、たくさんの勉強をしてきたとは思いますが、それと導入したキャリア・パスポートへの指導ができるかどうかは、まったく別のお話なのです。

窓際のトットちゃんのように、「ちんどんやさんになりたい!」と言われたら、教師はなんと言うのでしょうか。子供の意思を尊重して、「どうすればちんどんやさんになれるか」を指導できるのでしょうか。


また、全国一律に導入した割には、特定の様式もないため、学校や教師への負担も大きいと言われています。それぞれの学校で違う様式になることも容易に想像できるのに、それを小学校から高校まで引き継ぐとなると、その様式はどうなるのでしょうか?


そして、大人でも1年間で目標ややりたいことは変わっていくのに、色々なものに影響されやすい子供ならもっとでしょう。それを1年間区切りで目標を立てさせ、1年後に振り返りをさせる。子供にとっても通常の勉強同様、「やらされている」感が出てくるのではないでしょうか。


まだまだ、文科省にも学校にも、課題が多く残されています。

スクールカウンセラーも増やしたいところですし、もっと外部委託して教師の負担を軽減していかないと、教師人口も減りつつあります。

今回のキャリア・パスポートに関しても、学校の教師に「就いたこともない職業のあれこれ」を指導できるとは思いません。キャリア・パスポートを実施するなら、学校にもキャリアコンサルタントを置くべきです。


教育を見直そう、変えていこうという姿勢は称賛したいところですが、なんとなくこうすることで、また別の何かから視点をずらそうとしているのではないか、と勘繰ってしまう今日この頃です。

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